名古屋市西区南川町の内科、整形外科 川上内科整形外科

整形外科

診療にあたって

整形外科、リハビリ診療は院長、川上 寛が担当します。


日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医としてさまざまな外傷、骨折以外に、リウマチ、スポーツ障害、各種脊椎疾患、年齢による関節の障害など幅広い疾患を診させていただいております。

私は大学病院など基幹病院で10年以上診療させていただきました。ここで強く感じたのは、早期に診断して治療、リハビリを行えば、手術することなく、より好きなスポーツや趣味を楽しみつつ、人生をおくれたはずの方が非常に多いということでした。

この経験から疾患の早期発見、早期治療と症状が再発しないように、リハビリもふまえた予防が非常に重要であると考え診療しております。例えば腰が痛いといって受診される方は多数みえますが、その原因はさまざまです。当院では、今困っている症状を取り除くだけではなく、5年、10年、20年、30年先に症状が再発し手術に至らないようにするには、今何が必要かを考えて日常生活指導やリハビリなどさせていただいております。

最近は人生100年といわれていますが、介護が必要なく自立している年齢(健康寿命といいます)は厚生労働省の発表では令和元年の時点で男性72.68歳、女性は75.38歳と発表されています。人生100年となれば、生きてはいても寝たきりなどで介護が必要な期間は10年以上となることになります。
健康寿命を少しでも延ばし、いつまでも元気で健やかな人生をおくることは、ご本人はもちろんご家族にとっても非常に大切です。このためのお手伝いを少しでもしたいと考えて、リハビリ担当の理学療法士を密に連携しながら診療しております。

全身性疾患

骨粗鬆症

骨粗鬆症検査装置

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは、骨の密度の低下、または骨の質の劣化により骨の強度が低下し、転倒や重い物を持ち上げたりなどちょっとした負荷で骨折してしまう病気です。背骨や足の付け根の股関節を骨折して寝たきりとなり、最悪な場合は、それが引き金となり死亡することもあります。現在日本では1,280万以上の人が、この病気を患っているといわれています。(一般社団法人骨粗鬆症学会「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」より)
骨粗鬆症には、老化に伴って発生する原発性骨粗鬆症と、何らかの他の原因による続発性骨粗鬆症とがあり、その原因としては腎臓がわるくなったりステロイドといわれる薬を長期飲んだり骨の形成に不可欠な栄養分の摂取不足などがあります。

骨粗鬆症の診断

診断には日本骨粗鬆症学会作成のガイドラインに従い行います。レントゲン、骨密度検査以外に採血や検尿で骨代謝マーカーといわれるものを計測すると、より詳細な骨の情報が得られます。当院の骨密度検査は現在ガイドラインでもっとも推奨されている腰椎と大腿骨2カ所で行うDXAという検査法で診断しております。

骨粗鬆症の治療

まずカルシウムの摂取を考慮した食事、適度な運動、日光浴など日常生活の改善が大切です。人それぞれ食事の好み、体質、仕事、趣味、日常生活のパターンが違うので、各々にあった指導を心がけています。骨粗鬆症の程度により薬の処方や注射を使用することもあります。近年薬も注射もさまざまな新薬が開発されていますが副作用に注意しつつ気長に治療する必要があります。

関節リウマチ

リウマチイメージ

関節リウマチとは

人間の体は自分の体以外のものを異物と認識して取り除く仕組みがあります。これを免疫といいます。風邪をひいたときに薬を飲まなくても自然に治ることが多々ありますが、これは風邪の原因のウイルスを免疫が機能して排除するためです。リウマチは免疫の異常により関節に炎症が起こり関節の痛みや腫れがでる病気です。進行すると関節が変形し動きが悪くなります。原因はいまだ不明ですが遺伝的要因以外に環境要因もあるといわれています。40~60歳代の女性に多いですが最近ではさらに高齢で発症する方も増えています。主な症状は関節の痛み、腫れ、朝のこわばりなどで左右対称に複数の関節に出ることが多いですが片側のみのこともあります。

関節リウマチの診断

血液検査としてリウマトイド因子(RF)や抗CCP体は重要です。両者が陰性でも関節リウマチの場合や、逆に陽性でも関節リウマチでない場合もあります。また、活動性の指標としてCRPや赤沈(ESR)、MMP-3などが重要です。関節リウマチは血液検査だけでは診断できません。痛みや腫れのある関節の数と部位、RFや抗CCP抗体の有無、炎症反応の有無、症状持続期間をスコア化して総合的に判断します。

関節リウマチの治療

近年早期発見、早期治療が大切といわれています。早期から抗リウマチ薬を開始しますが、症状がひどい場合はステロイド、痛み止め薬も使用します。抗リウマチ薬は作用がでるのに数ヶ月かかるため副作用に細心の注意をはらいつつ継続することが重要です。これでも改善されない場合はより新しい生物学的製剤、JAK阻害薬が必要となります。しかしこれらの治療を行っても症状悪化し関節破壊が進行すると人工関節置換術をはじめとした手術治療を選択する場合もあります。

当院では早期発見、早期治療に努めており必要に応じて症状が悪化しないような予防リハビリにも力をいれております。より専門的な治療や手術が必要となる場合は、リウマチ治療が可能な基幹病院へ、紹介させていただいております。

痛風

痛風イメージ

痛風とは

大量のアルコール飲酒後、急に足の親趾のつけ根が赤く腫れて痛くなることがあります。風が吹いても痛いということで「痛風」と呼ばれています。足の親趾のつけ根以外に、足関節、足の甲、アキレス腱のつけ根、膝関節、手関節にも激痛発作が起こることがあります。体内の尿酸濃度が上昇して発症するといわれています。

痛風の診断

血中尿酸値が高く痛風特有の臨床症状があれば診断は可能です。

痛風の治療

プリン体といわれる成分を含んでいるものを飲食すると体内で尿酸に置き換わります。よってプリン体を含んでいるものを控えなくてはいけません。ビール、魚卵、レバー、さんまなどプリン体の多い飲食物をひかえて野菜を多く摂取し水分を多めにとることも大切です。これでもコントロールできない場合は薬で血中尿酸値を下げる必要があります。発作時の治療には痛み止めを用います。痛みが無くなると自己判断で治療を中止してしまう方がいます。症状が無くても尿酸値が高いまま放置すると尿路結石や、脳、心臓の病気になりやすくなるので定期的な診察が必要です。

頸部

頸椎症

頸椎症とは

首の骨は頸椎とよばれ全部で7つあり各頸椎の間には椎間板という軟骨のクッションがあり年齢が進むと徐々にすり減ってきて神経を圧迫します。これが頸椎症です。腕や手にしびれや鈍痛がでてきたり両手を使った細かい動作(箸やボタン使う動作、字を書く等)ができにくくなり、進行するとつまずいたりふらついたりすることもあります。転んで首を強打すると急激に手足が動かなくなることもあります。診断は症状、身体所見、レントゲン、MRIなどで可能です。

頸椎症の治療

治療は湿布や薬、リハビリ、注射などから開始しますが、これでも改善せず悪化する場合や、初診時から既にかなり病状が進行している方は手術治療を選択しなくてはいけないこともあります。

頸椎椎間板ヘルニア

ヘルニアイメージ

頸椎椎間板ヘルニアとは

首の骨の間のクッションの椎間板が年齢の変化で後方に飛び出し神経を圧迫することによって起こります。30~50歳代に多く、長時間上を向いたり、パソコンやスマホを不自然な姿勢で長時間行ったり、スポーツなどが誘因になることもあります。飛び出す場所により、腕や手が痛くなったりしびれたり、歩行がふらついたりつまずきやすくなることあります。診断は症状、身体所見、X線撮影、MRIなどが行われます。

頸椎椎間板ヘルニアの治療

症状が軽い方は湿布、薬で経過をみますが痛みのひどい方は首への負担を和らげるため頸椎カラー装具を用いることもあります。またリハビリや注射などで痛みをやわらげます。これらの方法で症状の改善がなく手足の筋力の低下が持続する場合、歩行障害・排尿障害などを伴う場合は手術的治療が必要となることもあります。

その他

頸椎捻挫
寝違え など

肩関節周囲炎

肩の痛みイメージ

肩関節周囲炎とは

症状は服を着替えたり高い所から物をとる時に肩に痛みを感じたり、夜間冷えると痛くなり目が覚めたりします。40~50歳の方に多く肩の痛みと動きが悪くなる症状を伴うものを総称して肩関節周囲炎と診断します。四十肩、五十肩とも呼ばれ、原因はさまざまで関節軟骨や靭帯などの老化や炎症によるといわれています。どのぐらいで治るかは人により異なり、糖尿病の方や以前にも同様の症状を繰り返し発症した方などは改善に時間がかかります。

肩関節周囲炎の治療

症状の軽い方は湿布や薬で改善しますが、治らない方や初診時から症状がひどい場合は注射やリハビリも行います。注射の部位や注射薬の内容は、その方の症状に応じて使い分けており必要に応じてエコー(超音波検査)で悪い部位を確認した上で行う場合もあります。リハビリは理学療法士がオーダーメイドで行っております。

腱板断裂

腱板断裂とは

肩関節の深い場所に肩を動かす棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょっかきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)、小円筋(しょうえんきん)の四つの筋肉が存在します。これらを総称して腱板と呼びます。この腱板が断裂すると夜間や肩を動かしたときに痛みを感じます。五十肩と違うのは関節が硬くなることは少なく力がはいらないことです。原因としては年齢的な変化、スポーツや仕事等での使いすぎ、また転んで強打するなど外傷による場合もあります。診断は身体所見、レントゲン、エコー(超音波検査)などである程度可能ですが、MRIを撮影するとよりはっきりします。

腱板断裂の治療

基本的には肩関節周囲炎と同じですが比較的年齢が若くスポーツ活動や重労働で肩をよく使う方はご本人とよく相談して、ご希望があれば手術治療できる医療機関へご紹介しております。

肩こり

肩こりとは

肩こりは、国民が困っている症状の中でも身近な存在です。肩こりは肩の痛みだけでなく目が疲れたり、めまいや頭痛など多彩な症状に関与しています。肩こりは首の後ろを支えている筋肉が緊張し筋内を走る血管を圧迫して血流障害を発生します。そのためしつこい症状が続きます。

肩こりの治療

肩こりには、血流をよくすべく冷やさないこと、保温に努めるべく入浴なども有効ですが、その時だけでなかなか改善しません。よって血流をよくして筋肉をほぐすよう湿布や薬(漢方が有効な場合もあります)以外に、体の深いにある筋肉をほぐすためにストレッチ指導や理学療法士によるリハビリを行っております。

その他

インピンジメント症候群
石灰沈着性腱板炎
上腕二頭筋長頭炎
野球肩
リトルリーガーズショルダー
肩鎖関節脱臼
肩関節脱臼
上腕骨頸部骨折
変形性肩関節症 など

テニス肘

肘の痛みイメージ

テニス肘とは

椅子など重いものを持ち上げたりタオルをしぼる動作をすると肘の外側から腕にかけて痛みがでる病気で、何もしなければ症状はありません。テニスをする方に多いのでテニス肘と呼ばれています。短橈側手根伸筋という筋が肘を酷使する仕事、スポーツ、繰り返す家事などで徐々に障害されて生じると考えられています。

テニス肘の治療

痛みがでるような動作を控えてストレッチをこまめにやっていただくことを指導させていただきます。また症状に応じて湿布や薬、サポーターなども使い、症状の改善が思わしくない場合はリハビリを行うこともあります。

野球肘

野球肘とは

野球の投球動作により肘を痛めるスポーツ障害の総称です。野球肘には肘の内側に発生する内側側副靭帯損傷(内側型野球肘)と肘の外側に発生する離脱性骨軟骨炎(外側型野球肘)の2種類があります。内側型野球肘の方が頻度が高く、投球動作によって肘の内側に離れようとする力が繰り返しかかることによって発生し、外側型野球肘は肘の上と下の骨が投球動作でぶつかり徐々に軟骨を痛めます。

野球肘の治療

アメリカ大リーグでは肘を消耗品と考え先発ピッチャーは投球制限することが主流です。
日本でも日本臨床スポーツ医学会の「青少年の野球障害に対する提言」(1995)において、試合を含めた投球数の目安が提言されています。小学生は1日50球以内、週200球以内。中学生は1日70球以内、週350球以内。高校生は1日100球以内、週500球以内が望ましく、1日2試合の登板は禁止すべきとされています。

また投球フォームの改善も重要で、投球時のコッキング期(投げる前の肘を後ろに引いた状態)の肘の位置や骨盤や体幹の開きのタイミングなどさまざまなチェックすべきポイントがあります。

またより良い投球フォームを得るには柔軟性を上げることも非常に重要です。投球動作は全身運動なので、ただ単に肘だけに視点をあてても意味がなく肩、腰、股関節など全身の柔軟性獲得が必要です。

これらは自分一人では評価も実践も困難なため、理学療法士の指導のもとに行うことが有用です。当院では一人一人にオーダーメイドで理学療法士がリハビリさせていただいております。

その他

肘部管症候群
橈骨頭骨折
肘頭骨折
肘内障
上腕骨顆上骨折
離断性骨軟骨炎 など

橈骨遠位端骨折

手の痛みイメージ

橈骨遠位端骨折とは

転倒して手をついた際におこる骨折で、頻度が高く、特に骨粗鬆症のある方では多発します。骨折にはさまざまなタイプのものがあり、診断にはレントゲンだけでなくCTが必要となる場合もあります。症状は手首が腫れて痛みを伴いうまく動かせません。神経が骨折した場所で強く圧迫されると指先にしびれがでることもあります。診断は身体所見、レントゲン、CTなどで可能です。

橈骨遠位端骨折の治療

骨折した部位で骨のずれが少ない場合は、ずれたところを元の形に可能な限りもどして(整復といいます)ギプスやサポーターなどで固定します。固定は4週間前後必要な場合が多いですが、骨のつく速度には個人差があり固定期間も違ってきます。骨がある程度つくと固定をはずしますが、痛みが続いたり動きが悪い場合はリハビリが必要となる場合もあります。骨のずれが大きい場合や、整復してもうまくもどらない場合は手術可能な医療機関へすみやかに紹介させていただきます。

ドケルバン腱鞘炎

ドケルバン腱鞘炎とは

タオルをしぼったり、物をもったりすると手首の親指のほうに痛みがでる病気で、腱鞘とよばれる腱がとおるトンネルで、親指を動かす2種類の腱に炎症がおきてなるといわれています。特徴的な症状としては親指を広げると痛みが悪化します。

ドケルバン腱鞘炎の治療

症状が軽い場合は湿布や塗り薬と安静でなおりますが症状が重い方はサポーターや痛み止め薬を使用していただいたりリハビリを行うこともあります。

手根管症候群

手根管症候群とは

妊娠・出産期や更年期の女性の方に多く、症状は、はじめは人さし指、中指のしびれ、痛み、手のこわばり感で、進行すると親指から薬指の中指側までの3本半の指がしびれます。しびれ、痛みは明け方に強く、しびれ、痛みで眠れない場合もあります。悪化すると、親指の付け根の筋肉がやせて、親指と人さし指できれいな丸をつくれなくなり物を落としたり、細かい作業ができなくなります。原因は正中神経といわれる神経が、手首の手根管といわれる神経がとおるトンネルで圧迫れておきるといわれていますが、詳細は不明で手首の骨折や使いすぎでなる場合もあるといわれています。

手根管症候群の治療

湿布、痛み止めや神経の改善をうながすビタミン剤など処方します。また手首に負担がかからないようにサポーターを処方したり、リハビリを行う場合もあります。

それでもなかなか治らない方や、親指の付け根の筋肉がやせて力が入らないような場合は手術が必要になります。

ばね指

指の痛みイメージ

ばね指とは

指を伸ばそうとすると痛みでうまく伸ばすことができず、ひどくなると固まってしまい指が伸びなくなり、無理に伸ばそうとするとバネがはじけたように痛みを伴いつつ急にのびる腱鞘炎です。これは指の関節を曲げる腱が、腱鞘と呼ばれる腱の通るトンネルの通り道がせまくなり、そこで動きが悪くなるためといわれています。原因は手の使い過ぎで、産前・産後・更年期の女性や糖尿病の方に多発する傾向があります。

ばね指の治療

使いすぎないようにする事が大切です。湿布や痛み止めを処方しても症状が改善しない方は注射が有効な方もあります。これでも改善しない場合は手術となる事もあります。

その他

キーンベック病
ヘバーデン結節
舟状骨骨折
三角繊維軟骨損傷
中手骨骨折
末節骨骨折

腰椎

腰椎椎間板ヘルニア

腰の模型

腰椎椎間板ヘルニアとは

椎間板ヘルニアとは背骨の間のクッションである椎間板が変形して飛び出し、神経を圧迫する病気です。症状としては腰痛以外に足の痛みやしびれを伴います。重症になると足に力がはいらず歩けなくなったり排尿や排便がうまくできなくなり失禁する場合もあります。診断は身体所見、レントゲン、MRIなどで可能です。

腰椎椎間板ヘルニアの治療

痛みの強い急性期は、コルセットや安静、湿布や薬で対応します。しかし疼痛の改善なければリハビリや注射を行います。これらの手術以外の保存療法で改善するとの報告もありますが、残念ながら数ヶ月しても症状が改善しない、ないし排尿や排便がうまくできない、足の力が入らない場合は手術となる場合もあります。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは

背骨は、椎骨、椎間板、黄色靭帯などでできており、その中に神経が通る「脊柱管」があります。脊柱管狭窄症とは、老化や腰に負担がかかる動作のため背骨が変形することで脊柱管が狭くなる病気です。60~70歳代多いといわれています。典型的症状は、長い距離を続けて歩くことができませんが、しばらく休むとまた歩けます。安静にしている時にはほとんど症状はありませんが背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、足にしびれや痛みが出て歩きづらくなります。しかし、少し前かがみになったり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減されます。診断は身体所見、レントゲン、MRI検査などで可能です。

腰部脊柱管狭窄症の治療

まず湿布や薬、リハビリテーション、コルセットなど試みますが改善がない場合は注射やブロックなども実施します。しかしこれらの治療を実施しても症状が進行し日常生活に支障が出てくる場合には手術をおすすめする場合もあります。

腰椎分離症

腰椎分離症とは

背骨の一部にヒビがはいって、その周囲で神経が刺激されて腰や足の痛みやしびれがでる病気です。骨がまだ未熟な成長期の子どもが、跳ぶ、走る、ひねるなど腰に負担のかかる動作を繰り返してなることが多いといわれており、スポーツ選手の約30%から40%が腰椎分離症であるともいわれています。腰を反らせたときに症状が悪化することが特徴です。若いときは症状がないのに年をとってから腰椎分離症が原因の痛みやしびれがでてくることもあります。またヒビの部分で腰の骨がずれてきて分離すべり症といわれる状況になり症状が悪化して手術せざるを得ない場合もあります。診断は身体所見、レントゲン、MRI,CTなど使い総合的に評価します。

腰椎分離症の治療

腰椎分離症の治療は病気の進行度により違います。この進行度を評価するにはレントゲン以外にMRIやCTが必要なこともありますが、早期であればコルセットをしっかりつけて運動制限することでヒビのはいった部分の骨がつくようにします。しかしすでに進行しており、コルセットをしても骨がつかない状況の場合は、まず痛みやしびれなどを早期にとり症状が再発、悪化させないようにする治療を選択します。具体的には痛みが強い急性期は湿布や薬などで対応し、ある程度症状が改善したら再発しないようにストレッチや体幹とよばれる背骨を支える体の深い部位の筋肉をきたえるトレーニングを行い、肉体改造する必要があります。当院では理学療法士が個別にオーダーメイドで治療させていただいております。

腰椎圧迫骨折

腰椎圧迫骨折とは

腰の背骨を腰椎といいますが、これが骨折して潰れたものです。若い人は高所からの転落、交通事故など大きな力が加わってなる場合が多いですが、お年寄りで骨が弱っている方は尻もちをついたり、布団など物を持ち上げたり軽度な負担で骨折することもあります。このような方は骨粗鬆症になっている方が多く、中には悪性腫瘍が背骨にできていて骨の強度が落ちているために起きる場合もあります。症状としては朝起きるときや体を動かすときに痛いことが多く、安静にしていれば症状はありません。診断はレントゲンで行いますがMRIやCTをしないと診断ができない場合もあります。年のせいだと思って放置しておくと、骨がじわじわ潰れて骨がしっかりつかずにグラグラする状況(偽関節といいます)となり、頑固な痛みが残ったり背骨の中の神経を刺激して下肢に痛みやしびれがでてきて歩けなくなり手術が必要となる場合もあります。

腰椎圧迫骨折の治療

痛みの強い時期はコルセットで固定します。既製品のコルセットでは固定範囲が短く固定力も弱いので体にあったオーダーメイドのコルセットを作り装着します。固定期間は個人差があります。同時に骨折を繰り返さないように骨粗鬆症に対して検査、治療も考慮します。また痛みが残ったり安静にしていて筋力が弱って歩行しづらくなった場合はリハビリも追加します。

その他

腰椎すべり症
変形性腰痛症
腰椎椎間板症
筋筋膜性腰痛症
化膿性椎間板炎
脊椎カリエス など

股関節

変形性股関節症

股関節イメージ

変形性股関節症とは

足の付け根の股の部位を股関節といいますが、ここの軟骨がすり減って変形してくる病気です。症状としては股関節が痛み、動きが悪くなり、足の爪が切れなくなったり、立ち上がりや歩行が困難となります。女性に多くその原因はうまれつき股関節の臼蓋といわれる部分の形成不全や発育障害の後遺症が主なもので股関節症全体の80%といわれています。進行して歩けなくなると手術が必要となることもあります。診断は身体所見とレントゲンで可能です。

変形性股関節症の治療

痛みが強い時期は湿布や薬で痛みをおさえます。しかしこれは一時的です。症状が再発するのを予防するには股関節の変形が進行しないようにすることがポイントで、股関節への負担を減らすことが大切です。そのためにはダイエットと股関節に負担がかからないように日常生活を見直したり、杖の使用も考慮すべきです。また股関節の負担を減らすように、筋肉をつけ関節を柔らかくするためストレッチや筋肉トレーニングなどリハビリが重要です。当院では理学療法士がオーダーメイドでリハビリメニューを組んで治療させていただいております。

その他

臼蓋形成不全症
大腿骨頸部骨折
大腿骨頭壊死
ペルテス病
大腿骨頭すべり症
単純性股関節炎
化膿性股関節炎
先天性股関節脱臼 など

変形性膝関節症

いざの痛みイメージ

変形性膝関節症とは

中高年で膝が痛い方は多数みえますが、その原因として頻度が高いといわれている病気です。原因は年齢の変化や若いときの膝のケガの影響で、膝の関節のクッションの軟骨がすり減ってきて痛みをだすといわれており、進行すると軟骨だけでなく骨まで変形してきて歩けなくなり手術にいたる場合もあります。

変形性膝関節症の治療

症状の軽い方は湿布やサポーターなどで安静にしていると症状がとれますが、改善しない場合は薬を飲んでいただいたり、膝にヒアルロン酸といわれる成分を注射したりリハビリを行う場合もあります。一時的に症状がとれても、再発しないようにするためには膝の負担を減らすべくダイエットがポイントとなります。また正座をさけ場合によっては杖の使用などが有効で、膝の周りの筋肉をきたえたり関節をほぐしたりするリハビリも重要です。当院では理学療法士がオーダーメイドで対応させていただいております。

その他

鵞足炎
内(外)側半月板損傷
内(外)側側副靱帯損傷
前十字靱帯損傷
後十字靱帯損傷
ジャンパー膝 など

足関節捻挫

足関節捻挫とは

スポーツ、階段の昇降時、ランニングなどでひねってから足首の周りが腫れて痛みがでてくる日常生活でもよくある若い人からご高齢の方まで誰でもなる頻度の多い外傷です。足首の周りの骨を結ぶ靱帯といわれる筋が損傷します。診断は身体所見、レントゲン、エコー(超音波検査)などで可能です。

足関節捻挫の治療

捻挫の程度によりますが、ケガしてすぐは痛めた足をあげて、絆創膏、サポーター、ギプスなどで足を圧迫、固定し冷やします。固定は1~2週間の方が多いですが、症状に応じて延長する場合もあります。痛みがなかなかとれない方、痛みが取れても足首がグラグラしている方は、何度も再発するので理学療法士による再発予防のための日常生活、スポーツ指導を行いつつ、筋肉を強化したり柔軟性がでるようにリハビリを行います。

その他

外反母趾
扁平足
第五中足骨骨折
足関節内外果骨折
足関節インピンジメント症候群 など